その10・・・転校生ラミイ


転校生ラミイ



「恐竜戦隊ジュウレンジャー」において、
ラミイは第一話から登場したわけではなく、
彼女は「途中登場」のキャラクターです。




戦隊物でもメタル系特撮ものでも、
必ず、夏近くなると、「途中登場キャラクター」
作られます。
それは、ヒーロー側の場合もあれば
ワル側の場合もあり。



これには色々理由があるようですが
それはカツアイするとして・・・。




「ジュウレンジャー」では、
ヒーロー側に「ドラゴンレンジャー・ブライ」が。
ワル側に「ラミイ」
「途中登場キャラ」として誕生しました。



ブライを演じた、和泉さんが
どう感じておられたか、
そのことを話したことがないので、
私は存じないのですが・・・。



ラミイを演じた私は・・・。


この番組の現場で・・・・


とっても転校生でした。




転校生。
元々いるクラスメートたちが
「どんなやつがくるんだ?」という奇異の目でみる。
もう敢然と既存のグループになっている彼らの中に
なかなか入ることができない・・・。



同じでした。



なんともいえない、転校生気分。




とは言うものの、
私の場合は、監督や一部のスタッフ、JACの方々などが
「機動刑事ジバン」の時からの
旧知の方々だったので、いつも現場はとても楽しくて、
救われていたのですが・・・。




ヒーロー演じる5人や
ワル軍団の皆さんたちと
第一話から、苦労を共にしていないため
どこか、いつも距離がありました。
お互いに連絡をしあったり、
一緒に食事に行ったり、
そういう仲のよさはついに生まれないまま時は過ぎました。




誤解なきよう。仲が悪かった、というのではないのです。
本当に、単純に、ラミイは「転校生」だったのです。




そして、「転校生」を経験しながら
私はあることを思い出しました。





この感覚・・・もしや!!!





私の本格デビュー作である、
「機動刑事ジバン」にも
「転校生」がいました。






クイーンコスモを演じた朝倉陽子ちゃんです。




陽子ちゃんも私とまったく同じで
その前に子供番組のレギュラー経験があり
一部のスタッフと知り合いで
そして、途中登場のキャラ、でした。





もう、時効ですから、
ぶっちゃけトークです(^^;)。



実は。



告白します。




既存のレギュラー陣にとって
「途中登場のキャラ」の存在は、
実はすこ〜〜し面白くないんです(^^;)。





「あとからなんか増やすってことは、
私たち(俺たち)だけじゃ、足りないの?!」
って思っちゃうんですよね(T^T)。




特にワル側の
私(マーシャ)と古川明美ちゃん(カーシャ)の二人にとっては
「ワルのセクシー系女性キャラ」
という部分が思いきりかぶりますから、

「私たち二人じゃ役不足だったってこと?!」
という小さな不満がありました。




「今度、クイーンコスモってのが
できるんだって!!信じられない!!」
と、私と彼女で共通のショックを受け、
彼女が初めて現場に来る時に
「ほおほお、なんぼのもんじゃい、見せてみい」
っていう意地悪〜〜な気分になったことを
お恥ずかしながら覚えております(^^;)





そして、ヒーロー側の
3人(日下くん、みっちゃん、小西くん)と
私たち二人はめちゃめちゃ仲がよく
5人でなんだかんだとつるんで
ロケバスで笑い転げてましたので、
彼ら3人も、100%私たち二人の味方なわけです。




一度作られちゃった「グループ」に入るってのは
よほどのことがない限り本当に難しい。





決して、陽子ちゃんと仲が悪かったわけではない。
彼女本人が嫌いだったわけではない。
話せば笑ったりしてました。
でも、彼女は最後まで、
この「グループ」に入ることはできませんでした。
っていうか、私たちが
受け入れることができなかったのか・・・。





「うわあ〜〜〜〜。陽子ちゃんも
同じ想いしたんだな〜〜これは〜〜!
こういう寂しさ、味わったんだなあ〜〜。
あ〜〜もっと仲良くすればよかった〜〜」





「転校生・ラミイ」をやりながら
私は何度も「クイーンコスモ・朝倉陽子」
のことを思い出していました。





彼女も苦労したんだろうなあ。(T^T)




子供向け特撮番組において、
その長い歴史の中で
「第一話からの既存のレギュラー陣」と
「途中登場キャラのレギュラー」
「ゲスト主役」
これらをすべて経験できて、私はよかったなあと思っています。
それぞれの立場の、
それぞれの苦労や想いが、
全部理解できるから。(^^)





今の戦隊モノ、最近見てないのですが(^^;)
どうなんでしょう。
そろそろ途中キャラが現れる季節?





今も戦隊モノを楽しんでる皆さん。



途中登場のレギュラーキャラに
温かい視線を送ってやってください。
多分、多かれ少なかれ、
一度は「転校生気分」を味わってるはずです。




そして、その「転校生を受け入れる既存のレギュラー陣」には
彼らならではの葛藤や苦労があるはずです。




それぞれに、「頑張れ〜!」という
エールを送ってあげてください!(^0^)




ヒーローも、ワルも
それぞれ、
いろいろ、大変、ってことで(笑)。

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